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2010 Fiscal Year Annual Research Report

18世紀日欧にみるベニョフスキー「世界周航」の衝撃

Research Project

Project/Area Number 20520314
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

佐藤 研一  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (80170744)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤田 緑  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (10219024)
Keywordsベニョフスキー / コッツェブー / ドゥルーリ / カムチャッカ / マダガスカル / ケンペル / ロシア南下 / 「トルコものオペラ」
Research Abstract

佐藤は、まず、ベニョフスキーの『世界旅行記』(独訳版、1791)がドイツ文学に及ぼした影響を見定めるために、コッツェブー作『ベニョフスキー伯』(1795)の考察を続行した。それによって、いかにコッツェブーが『世界旅行記』に基づき、特徴あるカムチャッカの風物や人物像を描出するのか、明らかとなった。のみならず、彼の「アジア・アフリカもの」の諸戯曲との比較考定を通して、『ベニョフスキー伯』は、「寛容」かつ「自由独立」の啓蒙された豪傑の主人公を据えた「トルコものオペラ」の一変種にほかならない、という点も解き明かした。こうして、当作品が源流となって、様々な小説やオペラの形をとりつつ、20世紀冒頭に至るまで受け継がれてゆく。ついで、目下、ベニョフスキー(ハンベンゴロ)による「ロシア南下」の「警告」について考察中である。彼は、ポーランドの反ロシア武装蜂起に加担し、身を以ってロシアの国家的膨張を体験した。その点を考えに入れても、「警告」は単なる虚言癖のひとつとして片づけられまい。
藤田は、英国図書館にてマダガスカル島探検記や同島関係の文献調査を続けて、同島の情報蓄積度の基礎的データを集めた(2010年8月)。その際、英文学史では、いまだD・デフォー著者論が根強いドゥルーリ著『マダガスカル島、又は同島捕虜15年間に亙るドゥルーリの記録』(1729)と『世界旅行記』(英訳版、1790)を比較検討した。その結果、同島の記述には大きな矛盾は見受けられない点から、後者の描写にも信愚性があろう。その上で、マダガスカル認識に不可欠な地図に焦点を定めて同島地図作成史の把握にも努めたが、これは日本のマダガスカル情報流入史を考察する際、重要な意味を持つ。目下、『世界旅行記』の日本記述に関して、ケンペル著『日本誌』(1727)と比較考定中である。いかに潤色があるにせよ、単なる作り話に留まるものではないと思われる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ヘルイ著『光の砦』再考-如何にして「歴史」はつくられるか2010

    • Author(s)
      藤田緑
    • Organizer
      第33回「中東」表象研究会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      2010-12-01
  • [Presentation] ヴァイマルのレンツ2010

    • Author(s)
      佐藤研一
    • Organizer
      第70回十八世紀ドイツ文学研究会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2010-06-19

URL: 

Published: 2013-06-26  

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