2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520325
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
BROCK P. Julie Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (70293983)
|
Keywords | 比較文学 / 大岡昇平 / スタンダール / 国文学 / 仏文学 |
Research Abstract |
■設備設置、調査、データベース作成/必要設備を設置、MAGAZINE PLUSシステムを利用し、国内の既往研究文献調査を実施。900件余のデータを整理し、キーワード検索可能なデータベースを作成。■『わがスタンダール』の読解・分析・仏語翻訳作成/大岡昇平の論文集『わがスタンダール』を精読、大岡自身を含めた日本におけるスタンダール受容を中心に調査。仏語翻訳は全体の半分(約200項)まで完了。これに応じる大岡の引用出典、大岡の論文自体の出版経歴を調査、データベース化。■必要文献の収集と照合/上述で得られた文献のうち、研究上必要なものを選択、現物収集・複写を実施。『わがスタンダール』における出典を明確にするため、スタンダール作品の原文および、収集した文献との照合を実施。■インタビューの準備と情報収集/大岡全集(岩波書店版)の元編集者、星野紘一郎に取材、重要な資料・情報を収集。仏語翻訳者Anne Bayard-Sakai(『花影』)に代わりFrancois Compoint(『俘虜記』)への取材交渉成立。Thierry Mare(『武蔵野夫人』)への取材準備完了。尚、計画外だが次に挙げる関連分野の第一人者らに取材し、新たな取材計画も立てた。大岡と密に接触したスタンダール研究の権威、栗須公正、西川長夫に取材、貴重な情報を収集。21年度以降、大岡の友人でもあった池端雪浦、大岡研究者である関塚誠、花崎育代への取材交渉成立。■成果報告/「大岡における聖書の影響」に主眼を置き、『野火』を中心として論文を執筆(21年度発表予定)。国際高等研究所にて「受容から創造性へ-近現代日本文学におけるスタンダールの場合」と題す研究会を提案。その基礎となる本研究の「大岡昇平におけるスタンダール」を中心に「受容と創造性」を巡る研究の意義と概要について発表した。
|
Research Products
(1 results)