2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520325
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
JULIEBROCK P. 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (70293983)
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Keywords | 比較文学 / 大岡昇平 / スタンダール / 国文学 / 仏文学 |
Research Abstract |
本年度(~平成23年3月31日)の研究実施計画 ■『わがスタンダール』の読解・分析・仏語翻訳作成/大岡昇平論文集『わがスタンダール』における日本のスタンダール受容および、フランスのスタンダール評論を調査。仏語訳は完了(400頁)。■関連資料の調査・収集・分析/『わがスタンダール』中に挙げられる全ての日仏文学作品および評論文のリストをデータベース化完了(データベースは全て日仏語版を作成)。■必要文献の収集と照合/上述で得られた文献のうち、研究上必要なものを選択、現物収集・複写を実施。(1)『わがスタンダール』における出典を明確にするため、引用された全ての仏文学作品および評論文のリストを作成、現物を収集し、大岡の原文との照合を実施。(2)国内外の大学、図書館、研究機関の検索システムを使用し、既往の大岡研究全般に関して資料収集をなした。作品ごとの目次作成によってこれを整理。以上の二つの作業((1)、(2))はおおむね完了。■読解・分析/上記の収集・整理の作業によって集められた資料を分析。とくに、優れた研究書でありながら、旧来の慣習に従って文献参照等を欠いた大岡の『わがスタンダール』に必要な情報を加え、これを現代的形式に見合う文学的研究書とするための準備をほぼ全て完了した。■インタビューの実施と情報収集・分析/スタンダールの専門家であるフィリップ・ベルティエ(第二部)、『武蔵野夫人』の仏訳者ティエリ・マレの研究発表に参加、議論の総括を執筆。また、前年度に行った桜井均への研究発表の仏語訳を作成。■成果報告/下記の1題の査読付諭文、4題の研究発表を公表した。■発展/財団法人京都国際高等研究所における研究プロジェクト「受容から創造性へ-近現代日本文学におけるスタンダールの場合」の活動を継続。本研究の主題となる「大岡昇平におけるスタンダール」を問題意識としつつ活動を主導した。また、フランスの日本研究学会の大会議にて研究発表、本研究成果をフランスにて公表した。
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Research Products
(5 results)