2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520343
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
市瀬 信子 Fukuyama Heisei University, 経営学部, 准教授 (50176294)
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Keywords | 杭州 / 乾隆 / 詩壇 / 詩会 / 浙派 |
Research Abstract |
乾隆朝初期の杭州詩人らの活動を明らかにするために、関連資料を整えた。歴史的背景を調査する資料として『明清史料』(北京図書館出版社),杭州関連の事項を調査するために『武林坊巷志』(浙江人民出版社)はじめとし、各種書籍を購入し、文献の中から関連項目を拾う作業を行った。また、『清代文字獄史料彙編』(北京図書館出版社)で、浙派詩人についての記述が多く含まれている文献を調査した。これらに関しては、作業はまだ途中であり、次年度以降も引き続き作業を進める予定である。 中国での調査では、江南関連文献が多く所蔵される上海図書館を中心に文献調査を行い、日本で未見での杭州詩人関係資料を閲覧、複写した。日本では、国立公文書館、国立国会図書館などを中心に、杭州詩人が主役となっていた揚州詩壇・杭州詩壇に関する資料を調査し、マイクロフィルム化、複写を行った。また、活字化されていない杭州詩人の作品集、地方誌を可能な限り複写収集した。 文献の一部はデジタルカメラによって記録した。更に上記の作業の成果をパソコン上で整理し、資料化した。 更に、CDROM化された清代関係資料を購入し、その中の当該研究に関する部分をピックアップして資料として整理した。この作業に関しては,現在も進行中である。 また、名古屋大学所蔵の、揚州詩壇の唱和活動を記録した『韓江雅集』の調査を行い、詩題と参加者一覧を作成した。 これらの作業をもとに、杭州詩人の詩会の中心で活躍し、『韓江雅集』の編者でもあった、寧波出身の全祖望にスポットをあて、杭州詩壇の中ではやや異質である彼の存在を中心に、詩壇の特徴を明らかにする試みを行った。『鮭埼亭集校注』等と、上記資料などを中心に考察を行い、その成果を中国中世文学会で発表した。なお、この発表内容については、H21年度中に論文発表する予定である。
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Research Products
(1 results)