2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520346
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
NARROG Heiko 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (40301923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 尚之 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50214185)
中本 武志 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (10292492)
宮本 正夫 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (30374979)
真田 治子 立正大学, 経済学部, 教授 (90406611)
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Keywords | 意味図 / 格 / モダリティ |
Research Abstract |
平成22年度以降も関連資料の収集及びデータベースの構築作業を続けた(⇒物品費、国内旅費の使途)。格の研究に関しては、今年度は主として本研究のデータに見られる格の意味拡張と、一般言語学的に提案されている隠喩に基づいての意味拡張との比較に取り組み、従来の仮説の修正が必要であることが分かった。また、いわゆる「動作格」の中の拡張の分析にも力を入れた。動作格の中でも、「受身動作主」、「能格動作主」「主格」などがあり、その間の拡張方向も決まっているようである。格の領域に関して、ようやく量的分析においても進展があった。昨年から研究分担者に加わった真田が本研究のデータに多次元尺度法(Multi-Dimensional Scaling)の方法を応用することができたのである。多次元尺度法は、海外の研究において社会学をはじめに広く普及しており、言語学でも類型論分野でよく応用されるが、日本では本分野での応用が初めてとなる。研究が順調に進めばこれについて今年中に学会発表ができる。 モダリティの領域では、必然表現・可能表現と所有表現、ヴォイスとの関係の分析を進めて、所有の構文からは主に必然の表現、自発と受動の構文からは主に可能の表現への拡張経路があることが分かった。これらの成果について一部昨年度中にも発表ができ、一部今年度中に出版予定の本の中で公表する予定である。
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