2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知モデルにおける主観性と事象構造に関するアジア諸言語の類型論的研究
Project/Area Number |
20520347
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 聡 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20292352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 尚之 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50214185)
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Keywords | 主観性 / 認知モデル / 類型論 / 語用論 / 事象構造 / アジア言語 / 対照言語学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知言語学によって明らかになった言語の主親性の、特にその命題事象内に表出する程度や様式に関して、言語間の多様性と類型化の可能性を、アジアの諸言語を主に言語類型論の記述的・実証的な研究手法によって明らかにすることである。 その目的に向かって、研究計画の3年目に当たる平成22年度には、事象構造、動詞意味論の主観性に関わる研究として、移動構文・内的状態述語構文・敬語構文などに関して研究を進めた。 具体的には、文献資料としてアジア諸言語を中心に多言語の記述文法書(reference grammar)、個別言語あるいは複数言語の各構文、更に事象構造の言語類型に関する文献を収集し、主観性現象に関する記述や議論の要点を整理するとともに、これらから関連する用例を収集する作業を行った。現在、日本語との対照的な観点から、中国語・韓国語・タイ語などにおける移動動詞構文、授与構文、内的状態述語構文、敬語構文の資料が集まっている。 また、以上のように各言語の各構文に関する記述的なデータの収集作業を精力的に行うとともに、そのデータにもとづいた汎言語的に適用可能なその主観性の定義の整理・設定・検証を進めた。主観性の定義にはLangackerやTraugottを例としていくつか近似のものが存在するため、それちの異同を明らかにすることができた。 現在までの研究成果の部分にはなるが、10月日本英文学会第62回中部支部大会のシンポジウム(金沢大学)で発表し、またまもなく出版される『ひつじ意味論講座』の『主観性・主体性』の巻に「言語の主観性と類型論」の章を執筆した。
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Research Products
(3 results)