2008 Fiscal Year Annual Research Report
対話能力発達における身体性表現の役割-言葉と体と音楽が出会うところ-
Project/Area Number |
20520357
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
有働 眞理子 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 准教授 (40183751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 美由紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70295666)
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Keywords | 対話能力発達 / 知的障害児 / オノマトペ / 身体性表現 / 音声・談話分析 / 養護学校 / 授業観察 / 療育支援 |
Research Abstract |
初年度となる平成20年度は、前年度3月末に実施した韓国の養護学校見学時に採取した貴重な映像資料について、授業場面の中で、オノマトペが多用されている揚面を取り上げ、それらのビデオ起こしを行い、書き取られたビデオ起こし資料に基づいて、韓国語から日本語への翻訳を施す、という基礎作業をまず実施した。それにより、養護学校の教室という場の対話性の豊かさについて、具体性及び観察的妥当性がより高い現象記述が可能となった。SUGI AMLYZERなどの音声分析ソフトや、Photoshop Elements6.0、ペンタブレットBamboo MTE-450などの画像処理ソフトなどのツールを用いたことも、具体性のある音声・運動情報の記述に役立った。 知的障害児たちに向けた教師の発話行動の中で、発信性の高さにおいて際立っていると認識された発話行動要素を取り出し、その特徴を記述しつつ、表現された形式の特徴が、発話行動の動機や目的(談話機能)に、どのように関連づけられるかを考察した。その結果、対話能力にハンディのある知的障害児たちに対峙する教師は、対話の意図や発信内容を子どもに伝えるために、音声表現と運動表現が効果的に調和する対話行動を示していることがわかった。 本年度の活動状況概要としては、映像資料の精査・分析・打ち合わせを経て、平成20年8月3日に日本発達障害学会ポスター発表(高野・有働)、9月14日に日本認知言語学会口頭発表(有働・高野)、9月21日に日本特殊教育学会ポスター発表(高野・有働)、平成21年2月末日に日本言語学会論文集投稿(有働・高野)、さらに査読過程にあるが、平成20年12月から現在にかけて日本特殊教育学会誌『特殊教育学研究』への論文投稿(高野・有働)を行った、という経過である。韓国語の映像資料を分析するかたわら、平成20年から21年にかけて、国内近隣府県の養護学校二校においても、見学をさせていただいた(匿名性への配慮の必要があり、学校名は明記しない)。
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Research Products
(5 results)