2009 Fiscal Year Annual Research Report
対話能力発達における身体性表現の役割―言葉と体と音楽の出会うところ―
Project/Area Number |
20520357
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
有働 眞理子 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 准教授 (40183751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 美由紀 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70295666)
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Keywords | オノマトペ / 知的障害児・者 / 特別支援学校 / 対話能力発達 / 身体性 / 音声・談話分析 |
Research Abstract |
平成20年度(初年度)に行った映像資料分析により、特別支援学校における授業において、オノマトペ表現が発話促進に貢献している/貢献しやすい場面や状況への気づきがあったことを受けて、平成21年度(2年目)は、より踏み込んで、オノマトペ表現そのものを言語教育教材に積極的に組み込んだ授業場面の観察・分析・考察を行なった。関西圏の特別支援学校の重度重複障害児童のクラスに、2週間に1回程度の頻度で計数ヶ月、1回あたり1~2時間の授業を観察しに通い、映像記録を採取したり、担当教師と意見交換を行なったりした。 記録の中で特に、積極的な教師の働きかけ/声かけと児童の活発な反応が響き合っていると思われる対話場面を取り出し、教師発話の音声的特徴の表現効果、発話に随伴する身体的特徴(表情、身振り)、周囲にいる他の教師とのインタラクションなどが、発話の意図を有機的かつ効果的に伝達する構図をとらえ、記述した。特に、教師の発信した身体性表現の有り様(運用状況の音声的特徴)と、その表現が促進する対話交換の文脈(特に教師の教育的な発話意図)の関連性について考察した。 本年度は、論文掲載が『日本認知言語学会論文集』(平成21年5月:有働・高野)及び『兵庫教育大学研究紀要』(平成22年2月:高野・有働)、日本特殊教育学会第47回大会ポスター発表(平成21年9月:高野・大川・有働)、日本発達心理学会第21回大会ポスター発表(平成22年3月有働・高野、高野・有働)が具体的な成果として既定した。また、平成20年12月に『特殊教育学研究』に提出した論文(高野・有働)が今年度査読を経て、平成22年3月に採択が内定した。さらに、平成22年7月開催の国際ジェスチャー学会(於フランクフルト)及び平成22年10月開催の国際知的障害研究学会(於ローマ)への発表申請の採択も、最終年度となる平成22年度の研究活動につながる今年度の成果である。
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Research Products
(5 results)