2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520359
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中井 幸比古 公立大学法人神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10221441)
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Keywords | 録音資料 / アクセント / 瀬戸内海方言 / 京都方言 / 伊吹島方言 / 音響分析 |
Research Abstract |
本年度は以下3点の研究を行った。 第1に、1910年生の1名の京都市方言話者(前年度までにDVD-ROMを作成したのと同一話者)の録音について、その未整理部分を編集し、DVD-ROMの形で公開した。『録音京都アクセント辞典(5)』がそれである。このDVD-ROMは、『京都府方言辞典』の見出し項目のうち京都旧市内で使用する語彙のほぼすべてをおおうものである。この資料の完成によって、上記1910年生の1名話者のアクセントについては、基本的な語彙をほぼ網羅した資料が完成した。共通語・東京語をのぞき、意外にも、全国各地の方言について、特定話者の多数項目の録音資料は、この程度の規模のものでさえ、これまで作成されたことはほとんどなかった。方言アクセントの基礎的資料として十分な意味を持つものと考える。 第2に、上の話者より生年が上の、京都の話者のうち、主に1900年代生の話者のカセットテープ録音をデジタル化した。上記の話者よりも10年前後生年が早いだけあって、より古い特徴も持っており、資料的価値は高い。これについてもDVD-ROMに収録する計画であったが、これはアクセントの音調型の耳による聞き取りを主目的とした調査の録音であるため、公開用音源として使う場合には様々な編集が必要である。本年度中にデジタル化は一通り行ったが、編集処理を終えることができず、公開に至らなかった。本研究後も引き続き編集作業を行いたい。瀬戸内海島嶼方言については、デジタル化・整理の作業は行ったものの、公開には至らなかった。 第3に、本年度は最終年度であるので、本研究で作成したDVD-ROM・CD-ROMのうち、香川県伊吹島方言関係の『和田實・妹尾修子録音による香川県伊吹島アクセント資料』『三好兼光録音香川県伊吹島会話資料』について、解説と研究を収録した冊子『香川県伊吹島方言録音資料について』を作成した。
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Research Products
(1 results)