2010 Fiscal Year Annual Research Report
メディアにおけるジェンダーバイアスの調査と批判的分析:男女共同参画実現への一助
Project/Area Number |
20520363
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村田 久美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10229990)
|
Keywords | 応用言語学 / 批判的談話分析 / メディアデイスコース / ジェンダー / 男女共同参画 |
Research Abstract |
研究目的:本研究の目的はメディア等のデイスコースに未だに(特に無意識に)観察されうるジェンダーバイアスを批判的談話分析(CDA)等の視点を用い、系統的且つ詳細に調査、明らかにし、結果を広く社会還元し、人々の意識改革と真の意味での男女共同参画推進に寄与することである。H22年度は過去2年に収集のデータ分析に加え成果を広く学会やメディアを通し社会還元、意識改革を通しての男女共同参画推進を図ると同時に今後の研究発展の方向性も探る。 研究方法及び経過:データ収集・分析の継続とこれまでの研究結果の纏めと発表を以下のように実施。1)日英メディア、特に新聞各紙におけるジェンダーバイアスを含むデイスコースの収集、分析を継続。新聞広告のテクスト分析を中心とした論文を国際学術誌に、また新聞記事のテクスト分析結果を新聞に投稿。2)ジェンダーの視点から、日・英、スウェーデンの情報提供者から集めた新聞広告に関する意見を詳細分析、結果を9月の英国での社会言語学シンポジウムと2011年3月の米国応用言語学会で発表。3)8月、オックスフォード大学キャメロン教授と研究協力打合せ実施、及び9月に国際言語とジェンダー学会で来日した同教授に言語とジェンダーの特別講演をして頂く。同8月、ロンドン大学ウンターホルター教授及びリングローズ博士に英国のジェンダー教育の実態等に関して意見聴取。 研究成果:インタビュー分析結果では日本と英国・スウェーデンの情報提供者間に顕著な意識の相違を観察、後者のジェンダー平等意識がより高く、またメディアテクスト分析結果でも日本のメディアで未だに無意識レベルで性別役割意識を前提としている記事等もあることが判明、男女共同参画推進を目標に置いた更なる意識改革の必要性が明確となった。これらの結果を上述の国際学術誌や新聞への投稿で発表を試みると同時に、同じく上述の3つの国際学会でも成果発表を行った。
|