2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国黒龍江省におけるモンゴル族コミュニティーの言語接触と言語変容
Project/Area Number |
20520369
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
包 聯群 Tohoku University, 東北アジア研究センター, 教育研究支援者 (40455861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
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Keywords | 言語学 / 言語接触 / 言語変異 / モンゴル族 / コミュニティー / 泰来県 / ドルブットモンゴル族自治県 |
Research Abstract |
1) 語彙リスト(基本語彙200程度 : 48人 ; 一般語彙2,000程度 ; 1人)のインタビュー調査とモンゴル語の文法事項(不変化詞を含む文100)のインタビュー調査(48人)をドルブットモンゴル族自治県と泰来県に実施した。その結果、基本語彙にも中国語の借用語がかなり含まれていることがわかった。地域、年齢、職業によってある程度の差があることが明らかになった。文法事項において、不変化詞の多くは中国語からの借用語であり、モンゴル族コミュニティー言語がもはや中国語の文法要素がなしには成り立たない程度まで変容していることがわかった。 (2) 泰来県における一万人を超えるモンゴル族に関する資料収集を行った。同時に、家庭、関係行政機関を訪問し、学校のモンゴル語の授業参加も行い、町や村での実際の言語使用状況を考察し、モンゴル族を取り囲む教育的、社会的要因を考察した。その結果、子供の多くはモンゴル語ができなくなり、言語の消失が迅速に進んでいる実態が明らかになってきた。 (3) 同時に泰来県のモンゴル族中学校のモンゴル族生徒や言語調査の被調査者を対象とした言語使用や言語意識に関するインタビュー、アンケート調査も行った(100人程度)。泰来県におけるモンゴル族が集中的に居住する三つの郷と一つの村に出向かい、言語現状についての観察や調査を実施した。ほぼ全員がモンゴル語が変容したと認めていることがわかった。 これらの研究成果が黒龍江省におけるモンゴル族コミュニティーの言語実態を解明するには基本的なデータを提供した。さらに消滅に瀕する言語の実態解明及びこの分野の研究にも貢献できる。
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Research Products
(2 results)