2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラオ語におけるいわゆる補助動詞の認知言語学的視点からの研究
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20520374
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
鈴木 玲子 Tokyo University of Foreign Studies, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40282777)
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Keywords | 言語学 / 外国語 / ラオ語 / 認知言語学 / 動詞連続 / 国際情報交換 / ラオス |
Research Abstract |
本研究は、資料そのものを海外調査によって得るため、初年度に引き続きラオスでの資料収集のための調査、そしてそれによって得られた資料による国内での研究の遂行、という内容で研究を進めていった。 まず、昨年度現地調査によって得られた資料のうち、まだ未入力のものを電算化した。一方で引き続きラオ語の補助動詞の一つである「khun」と「long」の検討をさらに進め、前年度まとめた結論に対して若干の修正を7月、東京外国語大学語学研究所定例研究会で発表した。 その後、8月にラオスへ赴き、ラオス側の協力機関および協力者と具体的作業について協議した。そしてラオス現代文学作品のデータベース化の許可を得る一方で、話し言葉収集については、ラオス映画のスクリプトなどを入手した。また若干の話し言葉の録音作業を試みた。言語研究に利用できるようなラオ語の言語コーパス構築は急務であり、現地の協力を得て一つでも多くの資料を慎重にかつ迅速に入力作業を行うことは本研究の遂行のみならず、今後の国内外におけるラオ語の言語研究にとって役立つものであると考えている。 帰国後は現地調査によって収集できた資料を整理して、ただちに入力作業にとりかかった。また、入力したデータをもとに、新たにアスペクトマーカーと考えられている「si」に着眼し、認知言語学的視点からの「si」の意味を検討した。その成果の一部を次年度の国際学会で発表の予定である。 以上、述べてきたとおり本課題研究2年目にあたる平成21年度は、収集した資料のデータベース化の充実と補助動詞の具体的なさらなる例文検討を行っていった。
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