2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソグド語と古代チュルク語の言語接触に関する包括的研究
Project/Area Number |
20520382
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 豊 京都大学, 文学研究科, 教授 (30191620)
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Keywords | ソグド語 / 古代チュルク語 / ウイグル語 / 言語接触 / 歴史言語学 / シルクロード / イラン語 / ソグド人 |
Research Abstract |
(1) 新資料の調査と研究.ソグド語と古代のチュルク民族との言語接触を反映する文献資料をあらたに2点発見し解読した.トルファンで発見された10世紀頃の文書の写真が現在イスタンブールにある旧アラト教授の保管資料のなかに見つかった.原文書はドイツのトルファン探検隊が20世紀初頭に発見したものだが,第二次大戦の争乱の中で失われていた.この文書はソグド語で書かれているが,ウイグル語の強い影響を示しており,著しく草書化した文字で書かれていることもあって解読はきわめて困難であったが,内容を解明し言語的な特徴を明らかにした.またこのような言語が成立する背景を,言語接触に関する理論を援用して解明するとともに,歴史資料のなかにそれが反映されていることを明らかにした (2) カラバルガスン碑文の研究.9世紀始めにウイグル可汗国の都(現在のモンゴル共和国カラバルガスン)で建てられた碑文のソグド語版のなかで,従来内容が明らかでなかった部分を解明した.ソグド語で書かれた古代ウイグル民族の歴史の中には,当然のことながらウイグル語からの借用語が含まれているが,これまでのソグド語研究者は言語接触の背景を考慮していなかったので理解できない部分であった.これは中央アジアの歴史を解明する上でも大きな貢献になった (3) 研究成果の発表.上記二つの研究の成果を,昨年10月に中国で開催された国際学会に招待された際に発表し,その後おのおの論文と事典の項目として刊行した.また京都大学人文科学研究所では,本科学研究費で行っている研究概要と,これまでの成果を講演した
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Research Products
(5 results)