2009 Fiscal Year Annual Research Report
方言・歴史・理論の融合を目指した日本語指示詞の研究
Project/Area Number |
20520387
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堤 良一 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 友子 就実大学, 人文科学部, 准教授 (10379216)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
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Keywords | 指示詞 / 方言研究 / 歴史的研究 / 理論的研究 / ア系列指示詞 / 九州方言 / フィラー / 接続詞 |
Research Abstract |
ア系列指示詞は、共通語においては直接経験した対象にしか用いられないとされている。しかしながら本研究課題においては、九州の北西地域において、必ずしも直接的な経験が必要ではなく、聞き手から手に入れた情報によって、何らかの要因が働き、ア系列が使用できる方言が存在することを確かめるため、今年度前半においては、数回の会議を行い、調査項目を話し合い、調査票を作成した。 まず、7月~8月にかけて、長崎大学、岡山大学、滋賀大学、就実大学の大学生に対し、筆記による調査を行った。前年度(2009年3月)に、岡山に在住する当該地方の方言話者数名に対し行った調査とあわせ、これらの分析結果を来年度報告する予定である。 9月4~7日にかけて、佐賀県嬉野市においてお年寄りに対して方言調査を行った。質問項目がお年寄りに必ずしも十分に理解されなかった等の問題もあり、問題のア系列指示詞の存在が、完全に確認されるにいたらなかったが、この点についてより若い人にも調査をする方針で動いた。2010年2月7日、岡山大学において再度40代男性(長崎市出身)に調査を行い、問題のア系列指示詞が使用できることを確かめた。 次年度の課題としては、引き続き調査を続けることと、要因の分析、学会等への報告である。また、調査の段階で、理論的に整備をした方がよいものが見つかったので、その点については堤(理論担当)が行う。その他、歴史的な方言資料の調査、本研究の方言学的位置づけ等も課題として残っている。
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Research Products
(12 results)