2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520390
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤縄 康弘 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (60253291)
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Keywords | 言語学 / 独語 / 語彙意味論 / 統語論 / 不定詞 |
Research Abstract |
本研究課題はドイツ語を対象に、非定形項や補文を取る述語を語彙意味論的に分析することを目的としている。研究最終年度であった2010年度は、前年度までに得られたデータのありようを説明するのに構造式を策定する課題に取り組んだ。その結果、当該の述語は、ちょうど使役関連の述語での行為のように、意志の関係が基本にあること、また使役、脱使役、反使役など、通常の態と共通する原理的道具立てを用いることで、さまざまな述語が関数表記され、それをもとに適格に統語的なコントロール関係や格表示が再現できることを確認した。 また、その成果を応用して、ひとつには別掲の学術論文2本を公刊した。そのうちの1本"Zwischen Possession und Involviertheit : Zur semantischen Basis der Valenzerweiterung im deutsch-japanischen Konuast"は個体とイベントの関係を関数的に捉える試みであり、本研究課題の発展型として日本語との対照研究の可能性を見据えることができた。 また、国内外の研究発表会で2回、研究発表を披露した。そのうち「言語体系の歴史と類型論」学会(ポーランド、ジェローナ・グラ大学)で行った発表は、本研究課題の成果によって得られる形態論的な条件が、共時言語学と通時言語学の接点においても、高い応用可能性を有していることを示したもので、聴講者の高い関心を引くことができた。
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Research Products
(4 results)