2008 Fiscal Year Annual Research Report
イエズス会辞書類データベースに基づく,対訳を経由する
Project/Area Number |
20520408
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
豊島 正之 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10180192)
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Keywords | 大航海時代 / キリシタン文献 / 書誌学 / 和欧混植 / 和紙 / ラテン語対訳辞書 / 対訳語彙データベース / Calepinus(カレピーノ) |
Research Abstract |
1) 当代辞書類の原本調査・及び論文公刊 Vila Vicosa(ポルトガル)、リスボン、パリなどの図書館に蔵されるキリシタン文献類、対訳原本類の原本調査を行ない、詳細な書誌的情報を得た。又、各図書館の貴重書担当者と、用紙・造本・版式などの書誌学上の諸問題に就き、詳細な情報交換を行なって、相互の知見を深めた。これを含め、これまでのキリシタン文献の書誌学的研究では論ぜられていない諸点について、学術論文を執筆し、書誌学的論集の一篇として公刊した。(2009年5月刊行)。 キリシタン文献中の和欧混植(縦組み和文中に横組み欧文を90度回転して挿入する組版)の規範、プレス印刷に於ける和紙・墨の利用、版組み中の面付けなどの詳細は、本論文に於いて初めて明らかにされた部分が多い。 2) データベースの拡張・公開 Barbosaポルトガル語ラテン語対訳辞書(1611年刊)等の入力・校正を終えた。これと併せ、当代のラテン語対訳語彙集5点の統合データベースを構築・維持し、www経由で検索可能なデータベース群の一つとして公開した。http://joao-roiz.jp/LGR/ Calepinus(ラテン語見出し語のみ)、Cardoso(ポルトガル・ラテン、ラテン・ポルトガル双方向対訳)、Barbosa(ポラ)、Nizolius(ラテン語見出し語のみ)のオンラインデータベースは、それぞれについても、これらの縦断検索も、本データベースで初めて可能となったものである。本データベースは、本研究の今後の進展に必須であるだけでなく、関連諸学にも有用と自負している。
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