2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本語における階層化された対話についての研究:終助詞「ね」「よ」「よね」を中心に
Project/Area Number |
20520410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 一志 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (90252741)
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Keywords | 日本語学 / 終助詞 / 発話行為 / 対話 / 会話 / 記述的研究 / 「のだ」 |
Research Abstract |
平成23年度の研究計画にそって次の通り研究を実施した。 昨年度は目的2および3に研究の比重を置いたが,今年度は目的1に比重を置いた。 研究の目的1(発話における終助詞「よ」「ね」「よね」の原理の解明)について:昨年度「よね」文の分類およびその体系性をコミュニケーション行為の観点から試行的に構築したが,本年度はそれを精査し,「よね」文の文法的記述には「直接形+よね」文,「のだ形+よね」文,「て形+よね」文の3つの類型に分けることが必要でかつ有効であることを研究発表「終助詞ヨネの意味と用法」(第13回日本語日本文化研究会,2012年3月17日,大阪大学箕面キャンパス)で示した。「のだ形+よね」文の文法記述には「のだ」文の文法記述が必要となり,研究論文「「のだ」の過程用法と結果用法」(『日本語・日本文化』38,2012年3月)で「のだ」文の体系を記述した。なお,この研究論文は,平成23年度大阪大学日本語日本文化教育センター特別研究費課題「新たな言語研究モデルについての試行的研究-インドネシア人研究者との共同研究を通して(継続)」の一環として実施した共同研究会での研究発表「「のだ」文の記述をめざして」(インドネシア人研究者との共同研究会,2011年11月25日,大阪大学箕面キャンパス)が着想の背景にある。 研究の目的2(対話や会話への原理適用の可能性の検証)および研究の目的3(対話や会話の階層性と動態性の調査)について:引き続き,サンプルを用いて発話における原理が会話に拡大して適用可能かを試行的に検証し,基礎資料の作成,資料の分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的としてあげた3つの項目,つまり研究の目的1(発話における終助詞「よ」「ね」「よね」の原理の解明),研究の目的2(対話や会話への原理適用の可能性の検証),研究の目的3(対話や会話の階層性と動態性の調査)のうち,目的1については現在のところ90%程度の達成度と言っていい。また,目的2および3については目的1の達成如何によって左右されるが,目的1が順調に進展しているので,全体的には本研究課題は80%程度進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はあと平成24年度の1年を残すところである。研究の目的1の達成で取り残した「よね」文の意味と用法の文法記述を完成させることが急務であることは,その達成度が研究の目的2および3の達成に大いに影響を与えるからである。また,目的2および3については終助詞の音調に関わるところが大きいので,音声学・音韻論の専門家との意見交換をさらに活発にして,この目的に関しても完遂することをめざす。
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Research Products
(3 results)