2011 Fiscal Year Annual Research Report
体系を視野に入れた古代日本語における副助詞の形成史的研究
Project/Area Number |
20520413
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
小柳 智一 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (80380377)
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Keywords | 副助詞 / 日本語学史 / 時枝誠記 / 手爾葉大概抄 / 助動詞 / 通言語的研究 / 格助詞 |
Research Abstract |
本年度は研究期間の最終年度に当たる。以下の3つを具体的に計画し、実施した。 1.中世以降の副助詞研究の概観、および近世の周辺的な研究の検討を行う。 2.上記を踏まえ、現代語の副助詞研究の立場を明確にする。 3.上代語の副助詞の意味用法と語形について考察する。 1および2については、かなりの程度まで進行しており、現代の副助詞研究の独自の視点が、中世から見出されることを明らかにしつつある。その過程で得られた、中世歌学書の文法意識に関する研究成果を以下の論文に発表した。なお、これとは別に、やはり中世の文法意識に関する研究論文を完成し、査読のある論文集に現在投稿中である。 小柳智一(2011)「『手爾葉大概抄』読解-「手尓葉」と「詞」-」釘貫亨・宮地朝子編『ことばに向かに日本の学知』ひつじ書房.pp.79-96. 3については、上代語の「より」類(ヨリ・ユリ・ヨ・ユ)についての研究を完成し、上代語の副助詞の意味用法の特徴の一端を明らかにした。次の論文に発表した。 小柳智一(2011)「古代の助詞ヨリ類-場所の格助詞と第1種副助詞-」青木博史編『日本語文法の歴史と変化』くろしお出版.pp.1-24. また、3とも関連し、本研究のキーワードである「形成史的研究」の基礎となる、上代語の形態論に関する研究を行い、現在は論文をまとめる最終段階にある。その他、昨年度学会発表した研究を論文にまとめる作業を行い、これも最終段階にある。
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Research Products
(3 results)