2010 Fiscal Year Annual Research Report
宮城県登米市中田町方言のテンス・アスペクト・ムード体系
Project/Area Number |
20520415
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
佐藤 里美 琉球大学, 法文学部, 教授 (00274879)
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Keywords | 方言 / 文法 / テンス / アスペクト / ムード / 述語構造 |
Research Abstract |
平成22年度 研究成果報告書 平成20、21年度に引き続き、22年度は計4回の実地調査を行い、登米市中田町方言の話者による自然談話をデジタル音声資料として記録するとともに、文字化の作業を継続中である。これらは各種検索・分析に供せられる予定である。 平成20年度の終止形のテンス・ムード・アスペクト体系の調査、平成21年度のモーダルな合成述語(可能、必要、義務、許可表現)の調査を受けて、22年度は、条件づけ(causality)の表現を対象にとりあげ、原因節(スッカラ、スタガラ)、条件節(スンダラ、スタンダラ、スッコッタラ、スタゴッタラ、スタラ、スタッタラ)、譲り条件節(ステモ、スタッテ、スタタッテ)、契機節(スット(スッツド)、スタッケ)のそれぞれの従属節の述語に用いられる動詞の文法的な意味、及びそれぞれの従属節をもつ複文の意味・機能を記述した。 記述に当たっては、主節と従属節にさしだされる対象的な内容のテンス・アスペクト的な性格、リアリティーの観点からのモーダルな性格、時間的限定性と意味類型との関連に特に着目した。また、標準語の浸透に伴う伝統方言の変容過程が、条件づけ表現にも進行しつつあることを踏まえ、標準語的な要素も含めて、この方言の実態をできるだけ正確に映し出す記述を心掛けるとともに、終止の機能をはたす動詞のテンス・アスペクト・ムード体系との対比のなかで、可能な限り包括的、体系的な記述を目指した。
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Research Products
(2 results)