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2008 Fiscal Year Annual Research Report

近世節用集の規範意識に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 20520420
Research InstitutionPrefectural University of Kumamoto

Principal Investigator

米谷 隆史  Prefectural University of Kumamoto, 文学部, 准教授 (60273554)

Keywords節用集 / 古本節用集 / 辞書史 / 仮名遣
Research Abstract

研究実施計画に記したA,諸機関に所蔵の近世節用集諸本の閲覧調査と分類B,節用集諸本の掲出語形・仮名遣・漢字字体規範に関する調査C,閲覧困難な近世節用集伝本の電子化に向けた準備の3点を中心とする調査研究を行い、下記のような成果があった。
A,慶磨義塾大学、国立国語研究所、東京大学文学部等が所蔵する節用集の調査を進め、元禄17年刊『大広益拾遺節用集』等、特に近世前半期の節用集諸本について、初版の刊行年の確認を進めることができた。また、同一の刊記を有する寛永6年刊『二体節用集』に複数の版が存することを確認するなど、近世初期節用集の踏襲性の高さを裏付ける発見があった。
B,文書用語の増補が特徴的な元禄9年刊『大広益節用集』等の四十四部立の節用集が、仮名遣の面でもそれ以前の節用集とは相違する点が多いことを確認した。17世紀の節用集における仮名遣規範意識の分析には、参照目的を勘案した再検討が必要であるといえる。
C,『螽海節用集』の伝本について調査を進め、節用集の系統関係の考察や仮名遣規範の検討に資するため、延享元年刊本の画像公開を急ぐべきことを確認した。
なお、これに加え、大分県と長崎県にこれまで系統関係についての検討がなされたことのない、伊勢本系統の古本節用集が2本存することを確認した。前者は天正16年の奥書を有する点等で、後者は近世前期の写しながら九州方言を収録する点等でそれぞれ注目される伝本である。特に後者の出現から、版本の節用集諸本とともに、版本が隆盛となる近世期に書写・増補された古本節用集についての調査が必要であることが再認識されることとなった。

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Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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