2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520421
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
井上 史雄 Meikai University, 外国語学部, 教授 (40011332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 暁美 明海大学, 外国語学部, 教授 (10245029)
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Keywords | 方言 / グロットグラム / 地理×年齢図 / 地理的年齢的動態 / 山添調査 / 日本海 / 北陸地方 |
Research Abstract |
本研究では、日本海側に分布する諸方言の地理的年齢的動態に着目して、総合的な実態調査を行う。また、過去の方言調査資料とも関係づけて、日本語方言の歴史的発展過程について理論的整備を図る。線状の地域で年齢別にことばを調べて図化する「グロットグラム」(地理×年齢図)の手法は、日本方言学が独自に開発した、世界に誇るべき新技法である。これまで日本列島の太平洋側を縦断して北海道から九州まで延長された。日本海側のことばの動きを明らかにするために、青森県から富山県までの実地調査を過去3年間にほぼ終えた。本研究では、北陸に集中する。 初年度の平成20年度には、北陸地方に分布する諸方言の地理的年齢的動態に着目して、総合的な実態調査を行った。京都にかけて、滋賀県と福井県などで、グロットグラムのための実地調査を実行し、計画地点のデータを得た。以前に作成した調査票を改定し、すでに開発したプログラムのデータを多くするだけなので、時間はかからなかった。ただし、地点あたりのインフォーマントの数が多いだけに、人探しに手間がかかった。調査員としては、研究分担者・連携研究者が参加した。データは調査終了後すぐにコード化し、コンピュータ可読データにした。次年度に分担を決めて、グロットグラムの図を作成する。集計に各分担者のもとのパーソナルコンピュータを利用することにより、分布地図も迅速に作製できる。 今回の調査は前年度までの日本海岸の東北部分の調査の延長である。その成果の発表のために国際会議に出張して、口頭発表を行った。また付随した山添調査の報告書を刊行した。
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