2008 Fiscal Year Annual Research Report
書記史・文体史研究資料としての勧修寺法務寛信撰述書の調査研究
Project/Area Number |
20520423
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
山本 真吾 Shirayuri College, 文学部, 教授 (70210531)
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Keywords | 書記史 / 文体史 / 勧修寺法務寛信 / 国語資料研究 / 国語学 |
Research Abstract |
本研究は、平安時代の院政期に活躍した勧修寺法務寛信(一〇八四-一一五三)の、数多くの、そして多彩な撰述書が、日本語史研究資料、特に書記史、文体史に資する有益な文献であるとの認識から、その古写本の実地調査を行い、当該文献群の資料的性格の解明と書記史、文体史研究の新たな方向性を提示することを目的とするものである。 その主たる実績としては、下記のとおりである。 まず、第一に、近畿地方所在の、古寺院を中心に、勧修寺法務寛信関係書の原本調査を実地に行う。 具体的には、京都市の東寺金剛蔵、大津市石山寺等の調査を行ったが、併せて東大寺図書館にも、関連調査を行った。 今回の実地調査では、変体漢文体資料及び片仮名交じり文資料の調査を行ったが、加えて、当時の変体漢文体に加点された訓点の様相についても観察し、整理を行った。 第二には、本研究の成果として、中国で行われた学会で、漢語語彙の使用と文体との関係について報告した。 寛信の活動した12世紀に焦点をあわせて、当時の辞書『色葉字類抄』に掲出された仏教漢語の性格について考察し、報告した。
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Research Products
(5 results)