2008 Fiscal Year Annual Research Report
規範から逸脱した英語表現の語用論的研究-特に従属節の解釈に関して-
Project/Area Number |
20520443
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 仁 Fukushima Medical University, 看護学部, 教授 (70259810)
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Keywords | 英語 / 語用論 / 言語学 / 従属節 / when / where / if |
Research Abstract |
本研究では、文法的に見て不自然と見なされる英語表現を取り上げ、それがなぜ使用されるのかを、語用論的に説明しようとするものである(対象は従属節)。20年度は特に「NP+be+副詞節」の形式における副詞節の意味と機能について検討を進めた。このうち、定義文として用いられる「NP+be+when/where節」(例:Frustration is when you can't find the car keys.)については関連性理論に沿った発話解釈過程(when節の発話に基づいて聞き手が推論を働かせた結果、意図された意味に到達するというもの)を既に提案したが、今年度はコーパスに基づくより詳細な分析を行った。同時に、定義文と関連して、LDOCE(4th ed.)におけるwhen節を用いた定義の使用状況についても調査を行った。 その結果、従来の語法書では不適当であると見なされてきた上記の表現が、実際には自然に用いられるものであることがより明らかとなった。これは、話し手(書き手)の意図を効率的に伝達することに貢献するという語用論的な理由が関連しているものと思われる。 また、同様の発話解釈過程を、文法上不完全な印象を与える「NP+be+if節」(例:The only way his role can be clarified and his posltion made tenable again is if there's a public inquiry.)についても適用し説明を試みた。その結果、この表現は「if節で表される条件は、主語NPの成立条件である」という推論を聞き手に促す表現として捉えることができる、という結論に達した。この表現も、when/where節の場合と同様、語法上の一般的認識と使用実態との間に隔たりのある例であり、そこに同種の語用論的要因が関与していることを示すことができた。
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Research Products
(2 results)