2008 Fiscal Year Annual Research Report
主観性と状況認知に基づくメタファー理論の探求-認知言語学的研究-
Project/Area Number |
20520448
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鍋島 弘治朗 Kansai University, 文学部, 准教授 (90340645)
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Keywords | メタファー / 主観性 / 身体性 / 状況認知 / パースペクティヴ / イメージスキーマ / 空間認知 / 認知発達 |
Research Abstract |
当該年度は、「研究実施計画」に記された通り、Langacker(1990)における主観性の概念と、Recanati (2007)に於ける主観性の概念の類似と相違を検討するため、1つのワークショップと1つのシンポジウムを企画した。ひとつは認知言語学会における主観性とメタファーのワークショップであり、今ひとつは、2月27日、28日に行われた主観性に関するシンポジウムである。 1. 認知言語学会ワークショップ「主観性とメタファー」 このワークショップでは、ラネカー研究者の聖トマス大学深田智氏と幼児の認知発達研究者である広島大学杉村伸一郎氏を招いた。その結果、ラネカーの主観性の概念は、Langacker (1990)のバージョンとその後のバージョンと分けられることがわかった。また、幼児の空間発達は、自己中心参照枠(主観的把握)から、環境中心参照枠(客観的把握)へ直線的に進むのではなく、モノを中心とした空間把握などを経ながら緩やかに発達することがわかった。 2.主観性とパースペクティヴ シンポジウム このシンポジウムでは、愛知大学片岡邦好氏、神戸市外国語大学本田啓氏、慶応大学井上京子氏、立教大学小山亘氏、昭和女子大学池上嘉彦氏、奈良女子大学浜田寿美男氏を迎え、主観性を巡る諸概念のすり合わせを行った。また、参加者に東北大学の上原聡氏、東京電機大学の月本洋氏を得て盛大に行われた。その結果、自己中心参照枠、主観的把握、主観性の概念は大枠合致を見ており、オリゴはダイクティック・センターと考えられることがわかった。
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