2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520450
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗正 佳啓 Fukuoka Institute of Technology, 社会環境学部, 准教授 (10341463)
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Keywords | 補文標識 / 一致現象 / 多重wh / 優位性効果 |
Research Abstract |
補文標識は言語によってはそれが支配するTPの主要部と一致現象を起こすが、それを詳細に調査し類型化する作業を行った。言語の中にはCOMPがTPの主要部とφ素性に関して完全一致するものもあれば、特定のφ素性に関して一致現象を起こすものもあり、中には両者の間に干渉子が入ると一致が阻害されるものもある。これらの現象がどこに由来するのか過去の研究と関連づけて考察し、それが一致関係に基づくコントロール理論とどのように連動するか検討した。また、Laka(1990)が主張するように否定対極表現の認可の問題は補文標識の体系と密接に関わっており、この否定対極表現の認可のメカニズムを解明することで、否定文内の否定詞のscopeの問題及び再構築(reconstruction)の問題に対しても原理的説明を与えることができるか検討した。さらに、そこに見られる一般特性及び制約を抽出することで、多重wh疑問文の認可の問題との関わりを明らかにし、英語やその他の言語に観察される優位性効果の説明を行った。これらの研究は、多重wh疑問文に関する従来の分析の問題が解決でき、その意味で意義があると言える。
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