2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語音声の教授・学習場面における発話データの分析システムの開発
Project/Area Number |
20520455
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小河原 義朗 北海道大学, 国際本部留学生センター, 准教授 (70302065)
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Keywords | 日本語音声教育 / 教室談話 / 質的研究 / 授業研究 / 教師教育 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、研究代表者の所属センターの教室に設置したデータ収録設備(IPネットワーク映像監視システム)と、デジタルビデオカメラ、ICレコーダー等により、日本語音声の教授・学習場面における多様な発話データを収集した。特に、データ収録設備については、1室増設され、本研究だけでなく、今後は所属センターにおける様々な日本語教授・学習場面における多様な発話データの継続的、組織的な収集が可能になり、教室談話の質的研究のための基盤が確立された。 並行して、発話データを分析するための質的アプローチの検討と分析を継続した。昨年度は、対象となる発音が目標発音に変化する過程が現れている2つの発音指導の事例を取り上げ、その過程の中で学習者が実際に何をしているのか、その行動を発話データに基づく教室談話に着目して分析することの意義を指摘した。その意義を多様な教授・学習場面において検証し、分析を蓄積するために、本年度は特に教室談話という制度的談話における参加の枠組み、さらにその枠組みをリソースとして捉える視点に基づいて、読解授業における学習者間の相互行為を取り上げて分析を試みた。その結果、学習者間ではタスクを達成するために参加の枠組みを利用しながら様々な相互行為が起こっており、そのパターンがタスクを達成する過程で繰り返されることで強化されていく事例が見られた。このことから、教室における様々な指導場面において実際に何が起きているのか、その実践の過程を明らかにするためには、多様な教授・学習場面における発話データに基づく教室談話を分析することの意義を改めて指摘できる。
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