2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の母語と学習環境が言語能力と学習観にあたえる影響に関する研究
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20520459
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
土屋 順一 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 准教授 (10262213)
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Keywords | 学習環境 / キーボード入力 / 学習観 / 母語 / 誤用分析 / 日本語学習歴 / ビリーフ |
Research Abstract |
文法的にも音韻的にもよくにているウイグル語とモンゴル語を母語とするが、漢語の影響がよわいウイグル族と影響がつよいモンゴル族による日本語音韻の習得のちがいについて、7月に台湾で開催された世界日語教育大会で発表した。ウイグル族の学習者は、漢語の影響がよわいだけでなく、正確さよりなめらかさを重視する学習観がみられた。 前年の9月に中国青海省西寧市に出張してチベット語話者を対象としておこなった面接調査の結果を8月にチェコ、ブルノ市で開催された日本語教育連絡会議で発表した。チベット族の日本語学習者は、漢語以外のコミュニケーションツールを獲得しようとして日本語を学習しているのにもかかわらず、漢語の能力がひくいことが日本語学習の障害になっていると自覚している。 おなじモンゴル語を母語としているが漢語をしらないモンゴル国出身の日本語学習者としっている内蒙古自治区出身の日本語学習者の日本語音韻の習得を比較し、漢語の知識が日本語音韻の習得にマイナスにはたらいていることを、11月に京都、龍谷大学で開催された日本モンゴル学会で発表した。 また11月に新潟大学と名古屋工業大学でウイグル語話者3名に対するキーボード入力調査と面接調査をおこなった。そのほか所属機関でも調査をおこない、合計18名のデータをえた。先行研究から蓄積してきたキーボード入力調査のデータは708件に達した。 年度末には冊子の報告書を作成し、3年間の研究期間に調査に協力してくれた機関などに配布した。
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