2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教育の効果を高める言語不安の制御方法とそれをふまえた教授スキル訓練の方法
Project/Area Number |
20520462
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西谷 まり Hitotsubashi University, 留学生センター, 准教授 (80281004)
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Keywords | 言語不安 / 不安の促進的把握 / 動機づけ / 学習方略 / e-Learning |
Research Abstract |
中国の大学の日本語学科における日本語学習者を対象に、日本語学習における外国語不安・不安の捉え方・動機づけと学習方略の関係について明らかにすることを目的に調査を行った。調査結果から、内的動機づけが高い学習者は不安を促進的に捉える傾向が高く、不安を促進的に捉える傾向が高い学習者は各種の学習方略の使用が多い傾向があることが明らかになった。その反面、外国語不安の高い学習者は不安を阻害的に捉える傾向が高く、各種学習方略があまり使えていないことがわかった。言語不安そのものを促進的/阻害的と捉えるのではなく、言語不安を促進的に認識できるように促すことが重要であることが示唆された。不安に着目した学習方略指導を考えた場合、最も指導が必要な対象者は「不安が高い」学習者ではなく、「不安を促進的に把握できない」学習者である。不安が低い学習者であっても調査結果を踏まえて、教材開発を考えるならば、言語不安を促進的に認識できるように促しならが、同時に学習方略使用を積極的に促すことが適切な対応と考えられる。 そこで、言語不安を促進的に捉えられるか否かという点に着目して、学習方略指導の側面から働きかけを行うe-Learning教材を開発し、その効果を検証した。方略指導の無い統制群、方略指導を行う実験群に分けてe-learning教材で実験を行った。事前-事後調査の比較では、不安の捉え方は実験群と統制群とでは有意に差があり、実験群は不安を促進的に捉える傾向が高まったことが明らかになった。また、実験群でよりテストの点数が向上する傾向も見られた。日本語教師教育の際に、言語不安に働きかけるに際し、学習方略指導を行うことが不安の捉え方を変化させ、成績を向上させるうえで重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)