2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウィキブックによる多国間参加型日本語作文授業のデザイン
Project/Area Number |
20520477
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鈴木 庸子 International Christian University, 教養学部, 講師 (00216459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 仁星 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90372929)
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Keywords | 教育工学 / 日本語教育 / 参加型学習 / eラーニング / Wikibook / 作文教育 |
Research Abstract |
1)Web.2.0テクノロジー、特にWikiを利用した外国語教育の文献について調査した。 2)外国人対象の日本語作文教育にWikiを利用した授業をデザインし実施した。対象コースは中級レベルの集中日本語コース、内容はWikiを利用したプロジェクトワークの最終報告書の執筆をWki上で行う、というものである。プロジェクトワークのテーマは「日本人学生がもっている国や都市などについてのイメージ調査」である。授業後に行った学習者へのアンケート調査、インタビュー調査から事前にプロジェクトの全体像やスケジュールを十分に示すべきこと、MoodleのWiki機能はあまり便利ではなかったこと、調査の報告書のように執筆に時間的な順序性があるものは、早く取りかかれる者とそうでない者とが出てきてしまう点で不便であること、学習者が共同執筆から多くを学ぶようにするためには、動機付けやグループの人間関係に関しても指導者からの配慮が欠かせないことがわかった。学習者が執筆した記事には、「人々が持つイメージは曖昧なもので、特定の街の正確なイメージは実際にその土地に行ってみなければわからないこと、実際に自分たちの日本に対するイメージも日本に来てから変わっていること、日本人が持つ「古い日本」のイメージは共通するものが多いが現代の日本のイメージになると人によって違いが大きいこと」などがグループの結論として述べられており、これらは協働作業による考察で得られた学習成果と捉えることができる。なお、20年度の成果として上記の実践結果に基づいてWikiを導入したプロジェクトワークの授業デザインを再考し、授業用教材を作成した。
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