2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウィキブックによる多国間参加型日本語作文授業のデザイン
Project/Area Number |
20520477
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鈴木 庸子 International Christian University, 教養学部, 講師 (00216459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 仁星 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90372929)
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Keywords | 教育工学 / 日本語教育 / 参加型学習 / 協調学修 / Wikiテクノロジー / 作文教育 |
Research Abstract |
大学の中級日本語のコースにおいて、ウィキを利用した研究レポート作成の試みをプロジェクトワークおよび作文教育の一環として春、秋の2回行った。授業の概要は以下の通りである。まず学生は3-4人のグループまたは個人でプロジェクトのトピック(「東京のイメージ」に関連するトピック)を決めた。4週間から9週間をかけてアンケート調査や文献調査およびレポートの作成と口頭発表を行った。レポート作成の過程でWikiテクノロジーを利用した共同作業を分担して行った。学生数は12名から28名である。授業のデザインはコースの人数、学習者の構成、カリキュラムによって変異したが、次の諸点、1)トピックの自主的な決定、2)プロジェクトの流れの明確化、3)各ステップにおける具体的な指示とフィードバック、4)中間点における学習者間の報告、に配慮した。春のセッションでは他大学の日本人学生から、調査結果とレポートの内容に対するフィードバックをオンライン上の書面にて受けた。両方のセッションで学内の日本人学生から最終口頭発表前のリハーサルに対して口頭のコメントを与えられた。本試行授業の結果、協同で研究レポートを作成する過程において、相互に刺激を与え合ったことが観察されたが、共同執筆による学習効果は十分には確認できなかった。執筆された内容がこのレベルの学習者にとってやや高度であったことが要因と考えられる。今後の課題として、アンケート調査結果の分析や考察の場面で共同執筆による内容の深まりが得られるよう、授業構成を工夫する必要がある。
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