2009 Fiscal Year Annual Research Report
議論の構造的差異を説明する異文化コミュニケーション・モデルの発展と応用
Project/Area Number |
20520484
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 志のぶ Hokkaido University, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (30275507)
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Keywords | 議論の構造 / 異文化コミュニケーシ |
Research Abstract |
平成20年度までの研究では、対人・異文化コミュニケーション研究の知見に基づき議論の構造的差異を説明する異文化コミュニケーションモデルを構築し、その検証を通じて議論の構造上の特徴はどのような要因によって説明できるのかを実証的に明らかにした。 平成21年度は、上記のモデルを発展させることを中心に研究を行った。第一に、日本人の議論はどのような構造上の特徴を持つ傾向があり、他文化と比較してどのような差異が見られるかを明らかにすることができた。具体的には、米国人の議論と日本人の議論を比較した結果、日本人の議論の構造の方がより間接的で、より簡素な構造を持つ傾向にあることが分かった。これによって、複数の先行研究で印象的に語られて来た非西洋的な議論の特徴が日本人の議論構造に当てはまることが、実証的に示された。第二に、異なる構造の議論が日本人の受け手(=聞き手)にはどのように評価される傾向があるか、という点を明らかにした。具体的には、議論の構造を記述する5つの指標の使用と受け手の評価の関係が明らかになった。5つの指標とは、これまでに明らかになった次の指標である。(a)水平的-垂直的マクロ構造、(b)漸降的-漸層的マクロ構造、(c)複合的ミクロ構造の理由付け、(d)連続的ミクロ構造の理由付け、(e)議論の長さ、である。分析の結果、異なる構造の議論を評価する際、日本人はより直接的で、複雑な構造の議論を概ね高く評価する傾向があることが示された。これらの研究の成果は、日本人による議論の産出と評価についてより正確な情報をもたらした点である。
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Research Products
(3 results)