2009 Fiscal Year Annual Research Report
工学専攻学部生のための英語プレゼンテーション教育法の構築
Project/Area Number |
20520495
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 千佳子 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (40335097)
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Keywords | 英語プレゼン / 工学専攻学部生 / 複眼的な視野 / 発声法 / ツールミンモデル / 論理的展開 / 説得力ある声 / 自立的学習者 |
Research Abstract |
平成21年度の学生アンケート・訪問調査から、工学専攻学部生の英語プレゼン指導において、1.複眼的な視野を持って主張をまとめていく作業と、2.自らの声の特質を理解した発声法が何よりも有効であるとの確信を得た。 まず、学部初年次を対象に行ったアンケート調査と彼らの英作文を照合すると、英単語・表現の知識をまとまりあるテキスト作成に運用することに大きな問題があることが明確になった。そこで、パラグラフ暗記再生等、学習者に馴染みがあると想定される方法を用いたところ、それなりの効果は認められたが、自由記述における論理的展開にはそれほど大きな効果は出なかった。 この原因として、文章・発表の目的、読み手・聞き手という意識が欠落して、適切な表現を探す原動力たるべき動機、つまり「何を誰に伝えたいのか」という原点を考えることに慣れていないということが示唆される。これは単純な暗記学習法の弊害と考えられ、学習者を原点に立ち返らせるには多大な努力と説明が必要である。 しかし、工学部専攻学生の場合、英語圏で広く使われているツールミンモデルによって日本語を用いて主張を明確するテクニックを学習するという体裁をとれば、この作業に十分に必要な時間がかけられる。この段階を経る間に適切な英語表現に置き換える作業を行えば、学習者は自ら必要な表現を探してその表現が使える自立的学習者になると想定され、工学の幅広い専攻にも対応することが可能となる。 同時に、こうして練り上げられた論理的展開を持つ表現にもそれを有効に伝える声が必要である。そのためには、学生が自らの体型に由来する声の特質を知った上で、より楽に話すことができれば、説得力ある声で自らの主張を伝えることが可能となる。 英語プレゼン指導は、英語のみならず国語・哲学・音楽からの知見を取り入れることで、工学専攻学部生にきわめて有効であると確信する。
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Research Products
(4 results)