2010 Fiscal Year Annual Research Report
文字チャットと口語対話の組合せによる英語対話演習の効率化
Project/Area Number |
20520503
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 右文 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90243873)
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Keywords | 文字チャット / 英語教育 / 英語対話演習 |
Research Abstract |
平成22年度の授業実施の実績としては、前期に少人数セミナーの枠で部分的に文字チャットを実践した。これは主に文字チャット実施の継続を目的としたもので、後期には主に21年度までに集められたデータの分析と、研究成果のとりまとめを実施した。核心部分だけの結論を述べれば、文字チャットと口頭演習の両方(同じ論題)で実施した授業と文字チャットだけを実施した授業を比較したとき、前者の授業では後者の授業に比しておよそ4分の3の時間しか文字チャットに割いていないにもかかわらず、1時間あたりの発言数や1時間あたりの発信文字数などの伸びに現れる文字チャット演習の成果は、文字チャットの時間を短くした授業でも劣らないことがわかった。文字チャットを短くした場合、残余の時間は口頭演習に割り与えられるので、文字チャットだけを実施する場合よりも、文字チャットの時間を短縮してその分口頭対話を実施する場合の方が、文字と口頭の両演習をひとつの授業で実施でき、しかも文字演習のみの授業に比べて文字演習部分の成果も劣らない。従って、文字チャットをカリキュラムに組み入れる場合に英会話的授業に組み入れて実施できるため、カリキュラムの充実が授業数の膨張なしに実現するという意味で効率化をはかることができる。また文字チャットと口頭対話演習をひとつの授業で実施する場合の組合せ方については、アンケート調査によって調べた。その結果、同じ論題での文字チャットと口語対話を同じ授業日に論題毎にペアにして実施する方法が最も受講者に受け入れられることがわかった。さらに、授業期間の前半後半に文字チャットと口頭対話を分ける場合には圧倒的に文字チャットを先行させる方が受け入れられやすいと判明した。
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