2009 Fiscal Year Annual Research Report
スペイン語話者への情報提供からみた多言語情報サービスの現状と課題
Project/Area Number |
20520508
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
糸魚川 美樹 Aichi Prefectural University, 外国語学部, 准教授 (10405152)
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Keywords | 言語サービス / 多言語 / スペイン語教育 / 外国人 / 情報提供 / 社会言語学 / 専門分野外国語教育 |
Research Abstract |
多文化・多言語社会への言語的対応という問題に関して、今年度はとくにウェブ上の情報収集を行った。これまで各自治体や国際交流協会などがウェブや紙媒体で様々な情報を提供してきたが、各機関が類似した情報を作成し提供するという非効率性が問題になっていた。最近では、様々な機関が作成した翻訳文書が特定の場所に収集され、個人がそこから必要な情報を選択できるという形式や、それを応用して必要な情報を作成できる形式が登場してきている。 日本語運用能力が不十分なスペイン語圏出身者だけでなく、日本語を主たる言語として使用している者がこのように職場や日常生活についてスペイン語でどのような情報をどのように獲得し地域の外国人住人をどのようにサポートできるか、日本社会において近年外国語による情報提供をめぐる状況にどのような変化がみられるかについて、マドリード自治大学スペイン語文献学科スペイン語修士コース「専門的調査と実践」での招待講演にて「外国籍住人に対する日本社会の言語的態度」という題目で研究報告を行った。また、同様のテーマを研究している、スペイン・ラテンアメリカ諸国・中国出身の院生と意見交換を行った。 日本社会におけるスペイン語使用と大学における外国語科目選択の関係を考察すべく、スペイン語を選択している学生に対し学習の動機について共同でアンケートを行った。医療スペイン語通訳者が知っておくべき分野のスペイン語について調査し、スペイン語学習教材に反映させた。 スペイン語通訳付きの裁判を傍聴し、これまで通訳者に求められてきた資質と実際の通訳者のあり方のずれについて、考察し始めている。次年度への課題とする。
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