2010 Fiscal Year Annual Research Report
マトリックスモデルによる語彙習得分析研究:シミュレーションと学習者データの検証
Project/Area Number |
20520510
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
吉井 誠 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70240231)
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Keywords | 第二言語習得 / 語彙習得 / シミュレーション |
Research Abstract |
研究者は研究全般を統括した。平成22年度の前半ではこれまでのデータを整理し、最終年度の研究計画を確認した。特に、マトリックスモデルの前提としている移行確率の安定性について再検討することにし、その結果を8月に全国英語教育学会にて発表した。後半では、以下の二つの実験研究を実施した。 実験研究1 この研究では大学院生2名を対象に、日ごろの大学院生活において単語の知識が学期を通してどのように変化していくのか調査した。Academic Word Listから目標単語200語を抽出し月1回のペースで半年ほどデータを収集した。この研究では語彙知識変化を4つの状態に細分化し、語彙知識が長期的にどのような変化を遂げるのか調べ、マトリックスモデルとの整合性を検証した。この結果については平成23年9月に開催される大学英語教育学会にて発表の予定。 実験研究2 この研究では英文科学生を対象とした2クラスに対して実験を行った。それぞれのクラスで目標単語200語を設定し、1週間に40語ずつ1ヶ月をかけて集中的に語彙学習を行った。集中学習後、残りの学期は定期的に語彙テストを行ない、語彙知識の変化・定着度を測った。被験者のデータでマトリックスモデルに再適応しているものを2件抽出し、それに対してシミュレーションを行い、語彙知識変化の予測について考察をまとめた。この研究の結果は平成23年3月に英国Swansea大学で開催された学会において発表した。これまでの成果をまとめたものが、マレーシアの学会誌に平成23年の3月に掲載された。また、同年3月発行の熊本県立大学文学部紀要にも論文が掲載された。
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Research Products
(3 results)