2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520517
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
神田 みなみ Heisei International University, 法学部, 准教授 (20327125)
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Keywords | 英語 / リーディング / 多読 / 事例研究 / 質的研究 / extensive reading / case study research |
Research Abstract |
本研究の目的は、多読を2年以上にわたり継続する大学生英語学習者を縦断的に調査し、読書量、英語力、学習意欲などの変化のプロセスとその要因に関して、記述・分析することである。2008年度は多読長期継続のデータとするために、多読授業内外における学生の読書記録、教員による観察記録を主としたデータを収集して、研究対象者を徐々に少人数に絞り込んでの分析を実施した。予備的研究としては、1.多読を順調に進める要因と困難にする要因、2.多読を長期継続した学生の読書力の伸びとその要因、3.多読の成果の学生による差異、の3点について行った。1.は、多読初年度クラスと多読継続クラスの学生に違いが見られることが分かった(JALT学会発表)。2.については、3年にわたる長期多読を続けた学生の読了語数と読書記録の変化と伸びをまとめた。その結果、読書時間の確保と多読用図書の選択は、多読の継続に重要であり、また長期に続けることにより飛躍的な読書レベルの伸びがあることが示された(平成国際大学論文、学習院大学論文、全国英語教育学会発表)。しかし、読了冊数は伸びても、読書レベルの伸びが無い学生もいた。本研究は、よりよい多読指導への示唆を得、英語多読カリキュラム実施に貢献しようとするものであり、多読の効果とともに、効果が上がらない場合の検証も努めた。3.では、順調に伸びる学生、途中で停滞する学生、伸びが無い学生を比較した(AAAL研究発表)。この予備的研究では、1年間読書レベルを上げることが無い場合はさらに継続しても成果が無かった。逆に、1年以内にわずかでも伸びが示された場合は、2年目、あるいは3年目に大きく伸びる時期を迎えていた。以上、2008年度の研究実績をまとめると、データ収集と分析、及び多読継続研究の焦点をしぼる予備的調査を行うことが出来た。
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Research Products
(5 results)