2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520517
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
神田 みなみ 平成国際大学, 法学部, 教授 (20327125)
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Keywords | 英語 / リーディング / 多読 / 事例研究 / 質的研究 / グレイディッドリーダー / 語彙習得ストラテジー / 辞書 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多読を2年以上にわたり継続する大学生英語学習者を縦断的に調査し、読書量、英語力、学習意欲などの変化のプロセスとその要因に関して、記述・分析することである。 3年目の2010年度は研究対象を、1年目に伸びが見られた後に2年目に停滞した者、2年目になってから顕著な伸びが見られた者、そして2年間に変化の無かった者の3つの対照的なタイプにしぼって分析を行った。読書量を示すデータとして、学期ごとの読了語数、読了語数、一冊ごとの平均総語数を比較したところ、多読を長期に続けることにより、これらの数値に顕著な伸びが示されることが分かった(学習院大学論文)。さらに学生の読書記録および授業内外の観察等により、多読により伸びがあった者は、今までに読めなかった本が読めるようになった体験があり、その後に大量に、そして飛躍的により長い本を読み始めており、また、本の好き嫌いを述べるようになっていた(平成国際大学論文)。加えて、多読の長期継続における学生による成果の違い、辞書使用の問題、英語リーディングカの伸びを実感させる指導方法への示唆について検討した(国際異文化学会発表)。昨年度の調査に引き続き、語彙習得ストラテジー調査を行ったところ、英語力の伸びに関連するのは関連付け記憶に関するストラテジーであり、辞書の使用は含まれないことが再び確認された(平成国際大学論文)。本研究により、多読の複数年度にわたる長期継続で英語読書量が増え、また読む本のレベルが飛躍的に伸びることが分かった。そして読書環境、適切な本の選択、教師のサポートなどが影響することも示された。
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Research Products
(4 results)