2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル社会に対応する英語教育モデルの構築―海外の実態調査の分析から
Project/Area Number |
20520519
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平井 清子 Kitasato University, 一般教育部, 准教授 (60306652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀夫 目白大学, 外国語学部, 教授 (90091389)
鈴木 広子 東海大学, 教育研究所, 教授 (50191789)
河野 円 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (20328925)
金丸 芙美 東京理科大学, 工学部, 講師 (40366430)
飯田 深雪 外語短期大学, 准教授 (90328998)
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Keywords | バイリンガリズム / グローバル社会 / 英語教育 / 実態調査 / 帰国子女教育 |
Research Abstract |
グローバル社会に対応できる英語力を育む教育のあり方を提言することを目標として、本年度は昨年度に引き続き、CALPという概念に注目し、小学校から中等教育を中心にし、さらに高等教育の研究も開始して以下の三点について研究を行った。 1) アジア諸国の英語教育の実態調査:台湾の英語科学習指導要領と教科書、それに関わる文献資料を研究・調査した。特に九年一貫教育における、中学校の教科書については暗記から論理的思考の重視への転換を確認した。また台中市のIvy Collegiate Academyを再訪し、授業の参与観察・分析から、批判的、分析的思考を重視したカリキュラムを日本でCBIとして応用する可能性を確認した。韓国ソウル市内の学校や英語教育関連施設を見学することにより、韓国の英語教育カリキュラムの運用と実情について検知を得た。教室内のインターアクションのデータは教員のCALPを伸長させる発問を考察することに用いた。香港のMarymount Secondary Schoolを訪問し、英語教育や英語を教育の媒体とする一般科目の授業を観察・分析した。目的のあるタスクをその言語で行うことにより、4技能を総合的に学んでいることが分かった。 2) 帰国生の英語喪失と維持研究:英語圏からの帰国生調査は、彼らの海外での教育経験を通して、日本の教育の特徴や違いなどを明らかにしているので、2つの文化と教育方法の違いから、日本の教育が国際社会に耐えうるコミュニケーション能力を育てる内容・方法を考察した。アメリカのCT州の高校のCBIのESL授業の参与観察・分析により、日本の中等教育へのCBIの導入と批判的、分析的思考を促す授業の具体的モデルを研究した。 3) 実証的な理論研究:日本の英語教育の現状分析大学のESP(医療・時事英語)の授業などを通して、コミュニケーション能力を社会文化的アプローチから考察した。CALPの育成を狙いとして、学習者の主体的な姿勢、適切な表現の発生につながる現象について質的研究を行った。バイリンガリズム研究と英語教育の接点となる早期英語教育に関して研究を進め、2011年から始まる小学校の英語教育をも視野に入れながら、年齢の問題だけではなく、外国語能力の仕組みを考察した。外国語能力のとらえ方に関して、従来の"communicative competence"という枠組みだけでなく、より広く異文化コミュニケーションとして文化的な側面も取り込んだ。そこから、21世紀における日本の英語教育のめざすものも見えてくると考える。
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Research Products
(16 results)