2010 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル社会に対応する英語教育モデルの構築-海外の実態調査の分析から
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20520519
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平井 清子 北里大学, 一般教育部, 准教授 (60306652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀夫 目白大学, 外国語学部, 教授 (90091389)
鈴木 広子 東海大学, 教育研究所, 教授 (50191789)
河野 円 星薬科大学, 薬学部, 教授 (20328925)
金丸 芙美 東京理科大学, 工学部, 講師 (40366430)
飯田 深雪 神奈川県立外国語短期大学, 准教授 (90328998)
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Keywords | CALP / コミュニケーションカ / CEFR / 内容重視の教授法(CBI) / スピーキング・ライティング活動 |
Research Abstract |
1)実態調査:2010年度は、(1)台湾の新学習指導要領とそれに伴う改訂後の高等学校英語教科書研究について、台北市の国立図書館付属教科書センターを訪ね調査した。改訂後の教科書は新学習指導要領の変化を反映し、内容重視の教授法(CBI)と統合的アプローチが用いられるようになった。このほか台湾の教科書で重点が置かれるようになった、英語でものを考え、論理的思考に働きかける教材の構成や指導法は、これからの日本の英語教育に不可欠のものであるといえるであろう。また、台湾の子弟を対象にしたインターナショナルスクール(ICA)を参与観察、聞き取り調査をし、日本へのCBIの授業への応用を検討した。(2)イギリスの高等教育における個人指導体制について聞き取り調査を行った。また、オーストリア共和国グラーツ市のEuropean Centre for Modern Languagesを訪問しCEFRとLanguagePortfolioについて情報収集を行い現地の学校の授業を参観した。香港の調査も引き続き行った。(3)2010年1月に訪問した香港のMarymount Secondary Schoolの分析を中心に行った。同校は英語を教育の媒体としている有名な英文学校である。英語プレゼンテーションの授業では、内容理解、比較、評価の面から生徒の思考力を深めるような発問がなされていることが分かった。(4)小学校英語教育においては、神奈川県内の小学校教員向け研修、「レッツ・エンジョイ・イングリッシュ」にオブザーバーとして参加し、2011年から始まる外国語活動を担当する教員の英語力のニーズ調査をした。 2)理論的概念の側面CALPの概念について文献研究を行った。また、授業分析およびその成果として国際学会での発表を通して、英語をコミュニケーション・ツールとして発達させるには、社会的実践が必要であること、スピーキング・ライティング活動に重点を置いて、学習者の理解を言語化することで深い学びをおこす必要性を明らかにした。さらに、CALP(学習言語能力)について、その理論的背景を再吟味し、実証研究へのアプローチを検討した。 2)講演会等4月23日、西町インターナショナルスクールの社会科主任John Montgomery氏を招き、学校全体でCALPを養成する教育にとりくむ事例について学び、成功要因を分析した。また7月30日にはペンシルバニア大学より、バトラー後藤先生より学習言語の母語と第二言語習得への関係を中心にCALP伸長の重要性を多面から検討した。8月25日にはコロンビア大学ティーチャーズカレッジ研究員の長倉若氏を交え思考と言語を発達させる指導法について考察を行った。
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Research Products
(13 results)