2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会・認知的視点から見た外国語としての英語ライティング力と動機付けの長期的発達
Project/Area Number |
20520533
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 みゆき 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (60241147)
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Keywords | 日本人英語学習者 / 量的研究 / 質的研究 / プロトコールデータ / 長期的研究 / 動機付け / 社会文化的分析 / 第2言語ライティング力 |
Research Abstract |
本研究は、日本人大学生の英語ライティング力とライティングへの動機づけが、3年半の長期にわたってどのように変化・発達していくかを、留学の効果に焦点をあてて、量的データと質的データの両面から追跡調査することを目的にしている。本研究では、従来応用言語学の世界で行われてきた認知的(cognitive)視点に加え、近年重要な視点として注目されている社会文化的(sociocultural)視点を取り入れ、第2言語のライティング力という認知能力の発達に、英語圏への留学も含めた外部環境要因が長期的にどのように影響するかを調査し、新たな知見を得る事をめざしている。第3年度の今年は、以下のように大学3年生からデータ採取を行った。今年度の特徴は、被験者19名のうち4名が4ヶ月-11ヶ月の英語圏への留学から帰国し、2名が新たに4ヶ月の留学に出かけて帰国したことである。最初の2年と同じように、以下のようにデータ採取を行った。(1)研究参与者17名(進路変更のため1名離脱)に個別に設備のある研究室に来て英語説明文を書いてもらい、書き終わった直後に書いている時の様子を録画したビデオテープを見ながら、書いている最中に何を考えていたかを逐次話してもらい、オーディオテープレコーダーに録音した。(2)採取したデータは、直後に転記した。(3)基礎データとして、標準英語力測定テストを用いて、一般的な英語力を測定した。(4)「母語作文力」測定のため、(1)で書いてもらった英作文と似た課題と長さで、被験者に日本語作文を書いてもらい、国語作文の専門家2名に評価してもらった。(5)これら量的データとは別に、ケーススタディの手法を使って被験者に個別にインタビューを行い、英語を書くことに関する現在までの学習経験や、英語一般や英作文に対する自信や動機付けなどについて調査した。(6)留学した学生2名のうち1名に対しては、メールを使ったアンケートと聞き取り調査も行った。
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