2010 Fiscal Year Annual Research Report
英語母語話者と日本人英語学習者の母音F1F2パターンによる即興発話モデル提示
Project/Area Number |
20520544
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨田 かおる 山形大学, 人文学部, 教授 (00227620)
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Keywords | 英語母語話者 / 日本人英語学習者 / 即興スピーチ / 音響特徴 / フォルマント1 / フォルマント2 / イントネーション / 多様性 |
Research Abstract |
英語母語話者と日本人英語学習者の即興スピーチの録音を前年度に引き続き行い、音響特徴としてのフォルマント1とフォルマント2により形作られる両者の母音空間の特徴を比較した。また、即興の場合とリスト読みの場合の母音空間は英語母語話者と日本人英語学習者共、それぞれ異なった特徴を示すことが予想できるが、この点についても、語彙リストを読み上げ、録音したデータを分析し、特徴の抽出を試みた。さらに、イントネーションの変動幅が母音に与える影響についても調査を行った。相手の気持ちや考えや行動を尋ねる発話に対する、強い肯定や否定の返答で、英語1語か2語で表される表現を映画の台詞から捜し、そのイントネーション曲線を分析した。さらに、同じ表現を日本人英語学習者が使った場合の発話を録音し、同時に分析した。その結果、英語母語話者と日本人英語学習者の間には、予想していた程の、イントネーションの下がり具合の度合いの違いは観察されなかった。両者の違いとして分析結果に現れた特徴は、下がったイントネーションを最後に少し上げるという方法を英語母語話者は使うが、日本人英語学習者は使わないという点、及びイントネーションの下がり具合の様々な度合いを英語母語話者が使用するのに対し、日本人英語学習者には母語話者程の多様性は観察されなかったという点である。両者の多様性についての違いは即興発話で特に顕著に現れる音響音声特徴であり、モデルの提示において重要な概念となり得る。
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Research Products
(1 results)