2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語母語話者と日本人英語学習者の母音F1F2パターンによる即興発話モデル提示
Project/Area Number |
20520544
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨田 かおる 山形大学, 人文学部, 教授 (00227620)
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Keywords | 英語母語話者 / 日本人英語学習者 / 即興スピーチ / 語彙リスト / スタイル / 母音 / 言語音声変化 / 使用頻度 |
Research Abstract |
英語母語話者と日本人英語学習者の即興スピーチの録音を前年度に引き続き行った。また、語彙リストの録音も行い、スタイルの違いによる母音の音響音声特徴の違いを抽出した。これに加え、言語音声の変化について、音韻論的立場や音声学的立場からの研究について文献調査を行った。言語が話される状況や言語用法の要因をも考慮に入れることにより、音声変化についての説明が可能になる場合もあることが明らかとなった。母音は大母音推移が歴史的に観察されているが、現代英語では、複数の母音、例えば[〓][〓][〓][〓]が順々に変化する例が,ある特定の状況で観察されている。また,特に[〓]の母音が文脈に依存し,変化の度合いが異なることも観察されている。鼻音の前では最も変化しやすく,無声破裂音の前では変化が起こりにくいなどの例が特定の地域で観察されている。 母音が変化する理由や,変化の型,もしくは一定の傾向が音韻論,音声学,音声科学を通して研究されている。これらの変化は,特定の言語が持つ音声体系に従って音声変化が起こっているものや,発声音の聞きやすさに応じるような傾向で変化が起こっているものが観察されている。 音声変化は特定言語の音声体系や言語上の文脈の影響のみからでは説明できない場合もある。特定の話者やある状況に限られた例については,その変化の方向や程度を種々の観点から長期的に調べ説明する必要がある。そのひとつとして,言語の使用頻度を考慮に入れることが必要な場合もある。また,発話の状況や種類を考慮に入れることも考えられる。話のスタイルや単語の使用頻度を考慮に入れることにより、即興スピーチにおける音響特徴の変化について、説明を行うことができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
即興スピーチと語彙リストの録音データ分析に予想を上まる時間を要し、目標としている即興発話モデルの考察にまで至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
即興スピーチと語彙リストの録音と分析を引き続き行いながら、以下の5点について研究成果をまとめる予定である。 (1)英語母語話者の即興スピーチと語彙リスト読みにおける母音空間比較 (2)日本人英語学習者の即興スピーチと語彙リスト読みにおける母音空間比較 (3)即興スピーチにおける英語母語話者と日本人英語学習者の母音空間比較 (4)英語母語話者同士と対日本人英語学習者の即興スピーチにおける母音空間比較 (5)日本人英語学習者同士と対英語母語話者の即興スピーチにおける母音空間比較
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Research Products
(1 results)