2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工的日英バイリンガル養育児における英語習得の縦断的研究
Project/Area Number |
20520550
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
御手洗 靖 Oita University, 教育福祉科学部, 准教授 (80229731)
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Keywords | バイリンガル / 言語習得 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
■3歳までの日英バイリンガル二児のgoneを含む英語発話の発達を分析し,(1)~(5)の結果を得た。(1) 最初の発話は"Gone."のみである。使用例と場面との結びつきの認識が,習得の鍵となっていた。(2) その後,"Xgone."という主語を伴った未分析なチャンクの発話を始めた。(3) 引き続き,X (is/'s) gone.という,軸語スキーマにおける枠(slot)であるX内の要素を入れ替えて創造的な発話を始めた。これらの発達過程は,用法基盤アプローチに従っていた。(4) 意味的な誤りについては,2児は少数の動詞の使用場面や発話意図を誤解して誤用した。(5) 文法的な誤りでは,チャンクの利用による名詞や前置詞の重複,be動詞や前置詞といった語の脱落,などである。SOVという日本語の語順の使用例はなかった。■3歳から4歳までの二児の日英語間の切り替え能力を分析し,(1)~(5)の結果を得た。(1) 日英語の混用は単語単位で起こった。原因として,語彙不足やtopic-comment構造の影響,対話者への意識や発言の強調が考えられる。(2) 同一内容を日英語で正しく発話できている例が多数見られた。原因として,表現を未分析なまま個別に習得する項目学習の蓄積をあげた。(3) 同一内容を英語で表現できない場合は,状況に合う別の表現の使用,発話の回避,文構成の失敗,日本語の影響が見られた。原因として,表現語彙の不足,項目学習による蓄積量の不足をあげた。(4) 統語的な誤りでは日本語のtopic-comment構造の影響が少数見られた。未分析な表現では対応できない複雑な内容の場合には,日本語の影響が出た。(5) 意味的な誤りにおける日本語の影響も少数見られた。
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Research Products
(3 results)