2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Research on religious activity of local buddhist temple in the Middle Ages based on investigation of Hagiwara-ji-Syogyo
Project/Area Number |
20520564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ATSUYA Kazuo The University of Tokyo, 史料編纂所, 准教授 (80143535)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 日本史 / 中世史 / 聖教 / 密教 / 真言宗 / 地方寺院 |
Research Abstract |
香川県観音寺にある真言宗の古刹巨鼇山地蔵院萩原寺は、平安時代の創建になり、南方に位置する香川・徳島県境の山岳寺院・雲辺寺の里坊として発展した。江戸時代には四国有数の有力寺院であった。南北朝時代以前について、具体的な様相を知ることは困難だが、宝徳元年(1449)に示寂した中興・真恵の時期からは、守護細川氏の帰依も得て、寺勢を伸張したことが確かめられる。 真恵は、高野山で修学し、聖教の蒐集につとめるとともに、醍醐寺遍智院成賢から分流した六方の法流を遍智院宮聖尊が束ねた六方大事(六方憲深方)と称される小野流の一流をはじめ、野沢両流に及ぶ東密の諸流を伝えた。そのため、萩原寺(地蔵院)は、西讃・東予における真言密教の一大拠点として重要な役割を果たすことになった。その後も室町期の歴代住持によって聖教が蓄積され、現在も同寺には、断簡を含めて5000点以上の聖教が伝来している。平安時代のものこそ7点に過ぎないが、16世紀以前の聖教が約8割を占めており、地方寺院に伝来する中世聖教としては屈指のものだといってよい。 本研究では、この萩原寺聖教の調査を進め、全容を提示するとともに、その成果にもとづき、中世の地方寺院における宗教活動の様相を明らかにすることを目的とする。
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Research Products
(5 results)