2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520571
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小林 昌二 帝京大学, 文学部, 教授 (30036470)
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Keywords | 渟足柵 / 沼垂城 / 酒船石遺跡 / 亀の石槽 / 長者の伏せたカメ / 威奈大村墓誌 / 電気・レーダー探査 / ボーリング調査 |
Research Abstract |
1 渟足柵探求は、推定地王瀬周辺のオイルメンテネンス新潟と東山ノ下小学校の各敷地でオールコア・ボーリング調査により古土壌の範囲をさらに具体的に追求した。だが昨年度と同様に古土壌コアに時代を特定できる土器片の採取はなく、土壌分布の確認の成果にとどまった。四十石遺跡は『新潟史学』誌上に、西部遺跡は報告書の考察に発表した。 2 調査方法の研鑽では、沖積平野の埋没遺跡をアムステルダムやベネチア調査などで世界の遺跡に広く及ぶことを確認し、また沖積平野の河口部の渟足柵推定地のひとつ新潟市河渡・松崎に、長者の伏せたカメが埋没しているという確かな伝承により、それは飛鳥酒船石遺跡の亀の石槽や大阪市四天王寺亀井の石槽に類似したものとの仮説をたしかなものとする分析を行った。しかしその地の調査は地権者の都合で実施できなかった。 3 城柵論では、越後城司威奈大村墓誌の「越後城」が「渟足柵」と「沼垂城」の間の呼称であり、国府が阿賀北から頸城郡に移行する間との見解を得ることができた。 4 日本海側の交流の調査は、今年度は佐渡で実施したがその調査結果の発表を今後に残した。 以上の掲げた目的と具体的な研究計画と方法による調査研究は、行き詰まりながらも、確かに前進し、約80頁の報告書に結実する基礎的な成果を積み重ねたと考える。
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Research Products
(2 results)