2011 Fiscal Year Annual Research Report
出土文字資料からみた古代天皇の家産制的手工業の研究
Project/Area Number |
20520576
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古尾谷 知浩 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (70280609)
|
Keywords | 日本史 / 古代史 / 天皇 / 家産制 / 手工業 / 出土文字資料 |
Research Abstract |
本研究は、文献史学の方法に立脚しつつ、考古学が明らかにしてきた技術史的観点を重視し、両者をつなぐ史料として、出土文字資料、特に手工業生産の場で記される文字も検討の対象に据えながら、天皇の家産制的手工業のあり方を研究することを目的とする。 この目的を達成するため、次のような作業を行う。まず、主たる検討対象とする手工業の分野を1土器2瓦3金属器の三つに設定して検討を進める。方法としては、a手工業生産・流通・消費に関わる文献史料の調査、b各分野についての考古学・文献史学の先行研究の整理、c出土文字資料などとして得られる、手工業生産物自体に記された文字の調査、及び手工業生産物と伴出する出土文字資料の調査の三つを主要な作業とする。 これらの作業は、同時進行的に進めるが、特に平成23年度は、以下の点に重点を置いた。まず、aについては、手工業の分野を間わず、平安時代の儀式書類・平安時代の古記録などから関係資料を抽出した。 次に、bcは、前年度に引き続き鉄を中心とする金属器生産について重点的に調査を進めた。bについては、通常の論文・著書のほか、寺院・宮殿・官衙遺跡の発掘調査報告書を含めて博捜した。また、cについては、鉄生産関連遺跡において伴出する木簡などの出土文字資料を主要な調査の対象とした。 また、出土文字資料については出土遺跡の立地、出土遺構、伴出遺物の検討が重要なので、現地踏査を重視した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り、本年度は鉄をはじめとする金属器関係の研究を進め、成果として下記論考を公表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、文献史料の調査として、寺院造営関係史料の調査を進めるとともに、最終年度にあたるため、これまで行ってきた土器・瓦・金属器に関する調査を総合する。
|
Research Products
(3 results)