2009 Fiscal Year Annual Research Report
御影石製中世石造物の分布調査とその学際的研究-中四国・九州を中心に-
Project/Area Number |
20520586
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市村 高男 Kochi University, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (80294817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亜聖 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (40321947)
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
桃崎 祐輔 福岡大学, 大文学部, 准教授 (60323218)
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Keywords | 御影石 / 石造物 / 分布調査 / 石材識別 / 石材流通 / 石工 |
Research Abstract |
本年度第1回の研究会・見学会は、昨年度の課題を受けて山口県山口市・下関市で実施した。その結果、山口県のうち旧周防国域では御影石製石造物がほとんど搬入されていないのに対し、旧長門国に属する下関市では地元の花崗岩を地元の石工が加工したものや、搬入品の御影石製石造物が存在するばかりか、地元の石材を使用し御影石の石工が加工した石造物まで存在することなどが明らかになった。それに伴って、これまで単純に御影石製石造物として処理されていたものについての点検や、石工の移動による石材加工・技術の伝播という視点からの検討も必要であることが判明した。 第2回目の研究会・見学会は、御影石製石造物の分布圏本体の拡がり(とりわけその西限)を抑えるべく、兵庫県高砂市・姫路市で実施した。その結果、高砂・加古川・姫路など播磨海岸部に分布圏を拡げながらも、加西市を中心とする内陸部には竜山石製の石造物が分布すること、竜山石の石工は御影石の石工の影響を受けて成長してきたことなどを確認し、さらに竜山石と呼ばれる石材の中にも、複数の種類があることが判明した。 各班ごとの活動では、四国班がこれまで希薄な分布地域とされていた徳島県南部や高知県東南部の主要港湾周辺御影石製石造物が分布すること、そこは共通して「海の領主」「海の民」の拠点であることなどを指摘した。また、九州班でも福岡県北部・長崎県北部・鹿児島県西部などに御影石またはそれに類した石造物の優品が分布することを明らかにしつつあり、とりわけ北部九州の石造物が長門・石見西部のそれとの共通性が予想されるなど、石材流通・技術伝播という視点から重要な論点を提示した。
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Research Products
(5 results)