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2009 Fiscal Year Annual Research Report

北日本地域における田村麻呂・義経伝説の近世的展開

Research Project

Project/Area Number 20520589
Research InstitutionMiyagi Gakuin Women's University

Principal Investigator

菊池 勇夫  Miyagi Gakuin Women's University, 学芸学部, 教授 (20186191)

Keywords義経蝦夷渡り伝説 / 相原友直 / 『平泉雑記』 / 『義経勲功記』 / 『鎌倉実記』 / 田村麻呂伝説 / 東夷征伐 / 窟伝承
Research Abstract

2009年度は前年度に引き続き、田村麻呂・義経伝説に関わる資料・文献を購入または複写によって収集するとともに、当該伝説を発信する場所(北海道積丹半島、青森県下北地方、秋田県湯沢市周辺、岩手県宮古市周辺)の巡見をおこない、デジタルカメラによって撮影した。また、『新秋田叢書』や、『奥羽観蹟聞老志』などの仙台藩地誌類から関係記事を抽出し、パソコンへの入力作業を進めた。
これらの基礎的な作業を前提にして、仙台藩の地誌を中心に田村麻呂・義経伝説の近世的展開について考察をおこなった。とくに、『平泉雑記』など奥州平泉に関する地誌3部作を著わした相原友直の義経蝦夷渡り説否定論について論文を執筆した。義経が平泉で死なずに逃げ蝦夷地に渡ったとする物語・伝説が近世中期以降流布し、それを史実であるかのように信用してしまう風潮のなかで、それは史実ではなく偽作だと徹底して批判を加えていたのが友直であった。とりわけ義経蝦夷渡りを説く『義経勲功記』『鎌倉実記』に対する批判がどのようなものであったのか検討し、友直の地誌考証の態度や方法について、正史・野史・郷説の3つのレベルが存在することを明らかにした。
また、仙台藩の近世中期に編纂された『奥羽観蹟聞老志』などの地誌類から坂上田村麻呂の東夷征伐・異賊征伐の伝説を抽出し、寺社の縁起や地域アイデンティティと関わってどのように語れていたか考察を進め、論文としては完成できなかったが、公開講座のなかで発表することができた。
さらに本研究に関連して、中世骨寺村(一関市)の中心的な景観の一つである山王窟について近世にどのような言説が語られていたのか検討するなかで、仙台領の窟伝承に関心を向け、田村麻呂伝説(鬼征伐)が入り込んでいる事実を示すことができた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 地誌考証と偽書批判-相原友直『平泉雑記』の義経蝦夷渡り説否定論を中心に-2010

    • Author(s)
      菊池勇夫
    • Journal Title

      研究年報(宮城学院女子大学附属キリスト教研究所) 43号

      Pages: 31-53

  • [Journal Article] 近世地誌のなかの骨寺・山王窟2009

    • Author(s)
      菊池勇夫
    • Journal Title

      季刊東北学(東北芸術工科大学東北文化研究センター) 21号

      Pages: 80-91

  • [Presentation] 仙台藩の田村麻呂伝説-地誌編纂のなかで-2009

    • Author(s)
      菊池勇夫
    • Organizer
      仙台高等専門学校公開講座「仙台藩の歴史と伝説」
    • Place of Presentation
      仙台高等専門学校名取キャンパス
    • Year and Date
      2009-11-09

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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