2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520597
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 智 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70468875)
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Keywords | 勝軍地蔵 / 歴史図像学 / 文化史 / 肖像 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、勝軍地蔵データベースの作成をすすめ、2012年3月の段階で約450件となった。 補充調査を継続し、8月に熊本県立図書館および熊本市池上地区において古文書調査と現地聞き取り調査を実施して、池辺寺と池上村の村落景観、味生池、有明海との具体的関係を追求している。また2月に高知県黒潮町熊井、四万十市岩本寺、東洋町成川、徳島県板野町地蔵寺にて勝軍地蔵像の調査を実施した。予定していた山梨県甲府市・山梨市の調査は、都合により延期した。 前年度の現地調査の成果の一部を論文「水争いと矢取地蔵」として発表。また関連する成果を学会報告で公表している。さらに、「大地のもつ野生のちから」(『環境の日本史』吉川弘文館2012年予定)を執筆して、中世軍神の登場する背景を明らかにしている。加えて、中世絵画の分析・読解の方法を「中世絵画史料論」(『論文を書こう』勉誠出版2012年予定)として執筆している。 以上により、主要な勝軍地蔵像の調査をおえ、豊富な作例を収集し、より充実したデータベースが完成しつつある。このうちいくつかの作品と地域をとりあげて、より詳細な現地調査および史料収集を進めることができたことで、中世軍神の水神としての特徴を抽出しつつある。
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