2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520623
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
三沢 伸生 Toyo University, 社会学部, 准教授 (80328640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 由美 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (80408989)
|
Keywords | 近代史 / 史料学 / データベース / 国際関係 / 歴史学 / 国際情報交換 / 日本:トルコ / オスマン帝国 |
Research Abstract |
本研究は、日本・トルコ関係史を歴史学研究として学術的に研究する上において不可欠となる基礎史料の発掘・収集を行いながら、学術的研究の俎上に取り上げられることが稀有である日本・トルコ関係史の推移過程を明らかにすること目的とする。この目的に即して日本語史料とトルコ語史料の双方において基礎史料の発掘・収集・分析を展開し、将来の様様な研究に貢献する成果を得た。 日本語史料に関しては、本年度の主眼とした「エルトゥールル号事件」に関する諸機関に所蔵される公文書史料の収集・分析に成果をあげた。加えて連携研究者の奥山直司が、私文書(エルトゥールル号事件を契機にした日本人僧侶のトルコ渡航関連私文書)史料の発掘・分析を行い、学術論文にまとめた。また徳富蘇峰記念館に所蔵される書簡含まれる重要書簡史料を全て判読・転写する成果をあげた。2次史料たる新聞・雑誌では、明治期の『改進新聞』のうち国内諸機関に所蔵されない部分の発見に成功し、分析を行った。また戦前・戦中期に日土協会から刊行されていた『日土協會會報』全号を発掘し、目次をデータベース化した上で、電子化したCD-ROM史料集を刊行したことも重要である。 トルコ語史料に関しては、研究協力者であるトルコ人研究者たちの協力を仰ぎながら、エルトゥールル号事件にかかわるオスマン帝国側の文書史料・新聞雑誌史料を渉猟し、オスマン帝国における最初の日本語教育の実態を解明し、これを学術論文としてまとめた。またトルコにおいて収集したトルコ語(アラビア文字表記の古典トルコ語、ローマ字表記の現代トルコ語史料)は、分析と並行しながら、2次利用に本研究のみなならず両国の研究者に将来的な相互活用を視野に入れながら、電子化・データベース化を進めたこと重要かつ意義深い成果である。
|